
コンドロイチン硫酸とは
軟骨、皮膚などの結合組織、粘液に多く含まれるムコ多糖類の一種で、細胞レベルでの保水力に深く関わっています。さらに、細胞へ栄養を運んだり、細胞から老廃物を運び出すダムのような働きがあります。
ムコ多糖類とは…
コンドロイチン硫酸・ヒアルロン酸など、アミノ糖を含む多糖類の総称です。
細胞の周りで水分を蓄え、みずみずしさを保っています。また、この水分を通じて細胞に栄養を運んだり、不溶となった老廃物を運び出しています。

コンドロイチン硫酸とタンパク質
コンドロイチン硫酸は体内で単体として存在しません。通常、コアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質と結合しています。このタンパク質が変形してしまうと、コンドロイチンも機能を果たすことができません。
全身に存在するコンドロイチン
コンドロイチンの名前の由来は、ギリシャ語で軟骨を意味する「コンドロス」からきています。語源から分かるように、軟骨に多く含まれています。ただし、関節に効くと謳われているため、関節軟骨だけに存在すると思われがちですが、骨などの硬組織や、脳神経組織、皮膚などの結合組織などほとんどの臓器や組織に含まれており、重要な役割を担っています。
また、コンドロイチン全てが同じ形ではなく、A~Eの5種類が存在します。
コンドロイチン硫酸の働き
- 水分の保持、調節
- 栄養分の分配
- 物理的な刺激をコントロール
コンドロイチンを構成している物質は、無数の毛が並んだように存在していますが、この1本1本がマイナスに帯電しているため、お互いが反発し隙間を作っています。その隙間に水分を蓄えています。また、その水分中には血液により運ばれた酸素や栄養分なども溶け込んでいるため、これらを各器官へ渡す役割もあります。
水分を溜めるだけではありません。けいれんなどにより、血流不足なるとブラディキニンやP物質と呼ばれる発痛物質が生成されます。この物質により痛みの信号を脳に送っているからこそ痛みを感じます。実はこの痛みの元をコンドロイチンが、吸着排出することで、痛みを抑える働きがあるとされます。
コンドロイチン硫酸の保湿力
ヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸を聞いて、美容によさそうなのはヒアルロン酸の方かなと思われている方が多いのではないかと思います。もちろん、コンドロイチン硫酸よりヒアルロン酸のほうが優れたところはあります。
しかし、皮膚の保湿作用に関するある試験において、ヒアルロン酸の場合、一時的に高い水分吸収能があったものの、時間が経つにつれ、保湿力についてはさほど高くありませんでした。
それに対し、コンドロイチン硫酸はヒアルロン酸同様高い水分吸収能があり、さらに持続的に高い保湿力がありました。