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便秘の種類と対処法
便秘の種類
便秘の種類
便秘にも種類があることご存知でしたか?種類によって原因や症状が違い、対処法も異なります。
中には下剤が逆効果になってしまう種類もあります。
まずは自分がどの便秘に当てはまるかというところから知り、それにあった適切な対処を行いましょう。
便秘には、「機能性便秘」と「器質性便秘」があります。
「機能性便秘」は状態や原因によって、さらに細かく分類されます。
■機能性便秘
機能性便秘とは、偏った食事や不規則な生活といった生活習慣の乱れや一時的なストレスなどにより、胃・小腸・大腸などの消化機能が低下することにより便秘になることを言います。
一般的に「便秘」と思われているのは、機能性便秘のことを指す場合がほとんどです。
■器質性便秘
器質性便秘とは、大腸やその周辺が疾患により、大腸が変形したり腸が狭くなったりすることによる便秘です。
機能性便秘と違い、原因の中には命に関わる疾患もあるので病院で一度診てもらいましょう。

あなたの便秘タイプをチェック!
自分の便秘にあった項目をクリックするとそれぞれのタイプにとびます。

■弛緩(しかん)性便秘
便を押し出す働きが弱まり、うまく外に出すことができないため起こる便秘です。
日本人に最も多いタイプの便秘です。特に、腹筋が弱い高齢者や女性、運動不足の人に多く見られます。

お腹が張る
痛み少ないけれども、お腹が張ってしまう。腸内に便が留まってしまうと、悪玉菌が増えて有害なガスが発生してしまいます。張りが大きくなってしまうと、食欲に悪影響が出てしまい、張りによるストレスから精神的にも悪い影響が出ます。
硬くコロコロとした便
水分不足により、見た目ウサギの便のようにコロコロしており、一つ一つ硬く短いのが特徴です。水分が不足した便は、なかなか出ないので力んでしまい、痔(じ)になってしまう可能性があります。
肌荒れ
便秘で肌荒れ?という方もいらっしゃるかと思いますが、腸内の健康が美容に大きく関わります。溜まった毒素が血液やリンパを通して体中に運ばれてしまうため、ニキビや吹き出物など様々な症状が起きてしまいます。お肌の手入れも大事ですが、まずは腸内環境を改善するこで原因の元を解消することが大事です。
大腸の筋力低下と加齢
弛緩性便秘の方で、特に多い原因が「大腸の筋力低下」になります。便を押し出す「ぜん動運動」が正常に働かないと排出できません。このぜん動運動は大腸の筋力が必要になります。運動不足な方や高齢者、出産回数が多い女性が腹筋力の低下などが原因となります。
また加齢により、内臓が少しずつ垂れ下がってしまうことで、腸のゆるみが悪化してしまいます。
水分と栄養不足
大腸の筋力低下や加齢により、便性が滞ってしまうと便から水分が奪われてしまい、硬さが増します。さらに、過剰なダイエットにより、水分不足や栄養不足なってしまうと作られる量が減ってり、便に必要な栄養が足りず、便秘を加速させてしまいます。
弛緩性便秘の場合、慢性になっていることが多く、解消に時間がかかってしまいます。 普段から便秘を意識し、解決に向けて心がけてみましょう。
適度な運動と栄養バランスが整った食事
デスクワークや通勤に乗り物を使っている人はどうしても一日の運動量が不足してしまいます。 まずはストレッチや軽めのウォーキング、腹筋などでお腹に刺激を与えてみましょう。 また、過度なダイエットは控え、小まめに水分補給をし、バランスよい食事を摂取しましょう。
サプリメントを活用する
とは言っても、毎日を忙しく過ごしている人にとって、栄養のことまで考えて食事をとることが難しい方います。そこで、補助としてサプリメントを活用しましょう!ただし、用法容量を守り、規則正しい生活習慣を意識した上で、摂取しましょう。
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■痙攣(けいれん)性便秘
ストレスなどが原因となり大腸が痙攣を起こしてしまい、弛緩性と反対にぜん動運動が働き過ぎて、便を少しずつしか出せなくなってしまう便秘です。

下痢と便秘を交互に繰り返す
痙攣性便秘の最大の特徴として「下痢と便秘を交互に」繰り返します。便を排出するぜん動運動が本来より活発な状態のため、吸収されるはずの水分まで一緒に出してしまい、逆に腸が痙攣すると便が溜まりやすくなってしまい便秘を引き起こしてしまいます。
硬くコロコロとした便
腸が痙攣してしまうと、どうしてもスムーズな排泄が行われず、水分が吸収され硬くコロコロとした便になりやすいです。また、排便後も残便感を感じることが多くなります。
お腹の痛み
その名の通り、腸が過度な痙攣性の収縮をするため、痛みを引き起こしてしまいます。
ストレスによる自律神経の乱れ
人間関係や不規則な生活、環境の順応しきれなかったり、様々な原因からストレスを抱えています。 ストレスを溜め込んでしまうと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。これが「自律神経の乱れ」です。
自律神経が乱れると、ぜん動運動と呼ばれる、便を排出するための大腸の筋肉の収縮が普段より活発になってしまいます。
「えっ?活発になったらダメなの?」
本来より活発になり過ぎてしまうと、痙攣したような状態に陥てしまい、便が外側へ押し出される前に内側に戻ってしまうのです。そのため、便秘になってしまいます。
過敏性腸症候群
主にストレスが原因の病気です。検査を行っても異常がないにも関わらず、腹痛、下痢、便秘、ガスがたまったりしてしまいます。日本人の5~10人に1人が過敏性症候群に当てはまると推定されています。
脳がストレスを感じてしまうと、本来は幸せホルモンとよばれる「セロトニン」が、腸の粘膜から過剰に分泌され、腸の運動に異常きたしてしまい、下痢や腹痛といった症状を引き起こしてしまいます。これにより、さらにストレス感じ、悪循環がおこってしまいます。
生活習慣の改善
夜型の生活や睡眠不足、生活のリズムが一定でないと交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかず、乱れが生じます。
ストレスを溜め込まない
日常生活を送る上でまったくストレスがなく過ごすことは出来ませんが、上手にストレスと付き合って溜め込まない生活環境を整えましょう。
―朝日をあびる ―適度な汗をかく ―ぬるめのお湯で入浴時間をとる ―睡眠時間を適度にとる ―誰かに話しをきいてもらう ―部屋の掃除・模様替え
食物繊維の過剰摂取
便秘気味だから野菜を摂ろう!と考える方が少なからずいらっしゃると思います。
しかし弛緩性便秘と違って、痙攣性便秘の場合、大腸の働き過ぎによる便秘ですので、余計に助長してしまい逆効果です。
便秘薬や下剤の使用
食物繊維と同様に、薬による腸の働きを活性化させることは逆効果です。痙攣性便秘の場合は使用を控えましょう。
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■直腸(ちょくちょう)性便秘
便が大腸ではなく、直腸(肛門付近)に溜まったまま出てこなくなる便秘です。
外出などで便を我慢することが多かったり、下剤に頼ってばかりいる方によく見られます。カラダが便を我慢することに慣れてしまい、改善が難しく、複数の危険性があります。

便意をあまり感じない
通常、便が大腸から直腸へと送りこまれると、便の圧力を感じ便意が生じます。ところが普段から我慢することに慣れてしまうと、そのセンサーが弱まってしまい、便意を感じにくくなってしまいます。
便が非常に硬い
他のタイプ同様に便が長時間溜まることにより、水分が少なくなってしまうのですが、直腸の腸管は大腸よりも太いので、便自体の太くなってしまい排出するのが非常に困難になってしまいます。
排便時に痛みを伴う
便が太く硬くなってしまうと肛門にも大きな負担がかかり、場合によっては切れて出血するおそれがあります。また直腸に溜まってしまうと激しい腹痛があったりします。
いきみが上手くいかない
腹筋・骨盤低筋群の働きが弱まり、いきみが肛門まで伝わらない顔いきみ(顔だけが赤くなる)になる。直腸性便秘の典型的な症状です。
排便してもスッキリしない
排便後も全部出てしまわず、溜まっている場合があり、残便感があります。
便意を頻繁に我慢してしまう
日常的に便を我慢してしまうことで、直腸が便意に慣れて便意自体を感じにくくなってしまい、結果便が溜まって便秘になってしまいます。 仕事で外に出る機会が多い方や、女性、介護を受けている方が恥じらいから、我慢してしまうことが原因です。
また、便秘になることで便秘薬や浣腸を常用してしまうことで、便意を感じるセンサーが弱まり便秘になりやすくなってしまいます。
肛門を閉めてしまう癖(アニスムス)
骨盤低筋と呼ばれる骨盤の底にあり、骨盤や内臓を支えている筋肉があります。尿漏れなどは骨盤低筋の働きが弱まっていたりします。
通常は、排便時にこの骨盤底筋が自然に緩み、便が出やすくなっているのですが、いきむ際に肛門にも力がはいる癖があると、肛門が逆に締まってしまい便が出にくくなってしまいます。さらに無理やり硬く太い便を排便することで、切れたり、痔になってしまいます。
直腸瘤(ちょくちょうりゅう)
直腸瘤はレクトシールとも呼ばれ女性特有の原因です。いきんだ際に直腸に圧が加わると、直腸が膣の中に向かって膨らんでくる状態です。外へ出そうとする力がカラダの内側へと圧がかかってしまうため、外へ出す力が弱まってしまいます。
我慢しない
便意を感じたら出来るだけトイレに行くようにしましょう。仮に小さな便意でも、トイレに行くことで排便を意識づけましょう。特に朝は便意がなくてもトイレに行くリズムを作り、早めに起きることで排便時間をとることも心がけてください。ただし、便が直腸まできてないにも関わらず、長時間のいきみすぎに注意してください。
排便時の姿勢
排便時に出やすい姿勢があります。腹筋に力が入りやすい和式でするのがいいです。しかし、一般的に広まっている洋式の場合は、前かがみになり、かかとを少し上げて腹筋に力が入りやすい姿勢をてってください。
便秘薬を多用しない
通常の便秘薬は大腸向けがほとんどです。にも関わらず便秘薬を使用することによって悪化してしまう可能性があります。
食物繊維の過剰摂取
便秘気味だから野菜を摂ろう!と考える方が少なからずいらっしゃると思います。
しかし、直腸性便秘の場合便の量が少ないのではなく、あくまで溜まっているので過剰な食物繊維の摂取が症状を悪化する可能性があります。特に不溶性食物繊維は便を追加で作り出してしまうので要注意です。
大腸ガンの危険性
昔は便秘によるガンの可能性が示唆されていましたが、最近の研究報告によると便通と大腸ガンのリスクはあまり関係がないとされています。毎日1回便がある人と週に2、3回しかない人との間では差がないということです。
ただし、あくまでそれが通常とした場合です。直腸便秘になってガンが発症したとう患者もいらっしゃいますので、便秘だからと放置しておくと危険です。
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■急性便秘
何らかの要因によって、一時的な便秘になってしまう便秘です。
多くの場合が旅行や引越しなどで、食、生活環境の変化による便秘で、こうした原因のものを一過性単純性便秘と呼びます。
原因が他の疾患の場合、症候性便秘(器質性便秘)のことを指します。

お腹の張り
太ったわけではなく、急にお腹の張りを伴う便秘。
進学、就職、ダイエットによる食事の変化など、今までと生活環境やリズムが変わったときになりやすいです。
普段便秘ではないのに、急に便秘になった場合は原因を考えてみてください。
旅行、出張、入学、入社、転勤、引越し、睡眠不足、ダイエット、暴食、月経前、妊娠など
基本的に新しいリズム、生活環境に慣れてくれば、自然と便秘は解消します。
ただし、以下の点を気をつけないと便秘が慢性化してしまう恐れがあります。
・毎日3食、規則正しい食事を心がける。
・栄養バランスを考え、食物繊維をしっかりとる。忙しい場合はサプリメントに頼る。
・腹筋を鍛えたり、ストレス、ジョギングなど運動不足を解消する。
・できるだけ我慢せず、トレイに行く。
・ストレスを溜め込まない。
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■医原性便秘
薬の副作用で起こる便秘です。痛み止めや、吐き気用の薬を使用することで便秘がおこります。
また、抗がん剤による影響など、がん患者さんの便秘の多くがこれにあたります。

痛み止めや吐き気用の薬を使用する
胃に作用する薬を使用すれば、腸や排便に関係する動きが抑えられてしまい、結果的に便秘になってしまいます。
吐き気を抑える薬 ゲラニセトロン、オンダンセトロン、アザセトロン、ラモセトロン
抗がん剤治療
抗がん剤治療により、自律神経の機能が障害されることで便秘になります。
抗がん剤 ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、パクリタキセル
医原性便秘の場合、他に疾患治療による薬の副作用ですので、薬をやめればいいという単純は話ではありません。担当の医師と相談して便秘改善をする必要があります。
基本的には毎日下剤を服用して、排便をコントロールしながら、便秘と病気の両方と向き合って生活していかなければなりません。また、できるだけ日常生活の中でも工夫をしていくことがポイントとなります。
まずは、担当の医師にご相談ください。
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■器質性便秘
器質性便秘とは、大腸やその周辺が疾患により、大腸が変形したり腸が狭くなったりすることによる便秘です。
機能性便秘と違い、原因の中には命に関わる疾患もあるので病院で一度診てもらいましょう。

便秘と共に以下の症状が現れた場合は、すみやかに医師に相談してください。
・激しい腹痛
・吐き気、嘔吐
・お腹が張る
・血便
・食欲不振
・心当たりがなく突然便秘になる
・発熱
大腸ガン
大腸ガンの症状として、血便、残便感、便秘と下痢の繰り返しなどが挙げられます。
初期の場合自覚症状がないため分かりにくく、定期的な検査で発見することが重要です。
血便から痔と間違えられやすいですが、大腸がんの場合色が黒味がかって、便に絡みついていることが一般的です。ただし、肛門に近い直腸付近にできたガンの場合、痔による出血かの判断が難しいです。いずれにしても、血便が出た場合は一度、医師に相談しましょう。
急性腹膜炎
便秘と共に発熱、悪寒、嘔吐などの症状を併発し、腹部の痛む部分が次第に広がっていきます。
腹膜に細菌感染や物理的・科学的刺激により炎症が起こってしまします。急性虫垂炎や急性たんのう炎、急性すい炎などの消化器疾患との合併症として起こるケースが多いです。
腸閉塞(イレウス)
症状として、突然にお腹の張りや、激しい痛み、吐き気や嘔吐などがあります。
原因として、過去に受けた手術の影響、ガンによる組織変化、ヘルニアなどが挙げられます。
かいよう性大腸炎
症状として、最初のうちは便がゆるくなります。やがて血便や腹痛、下痢と便秘を繰り返します。
原因不明の、難病指定を受けている病気です。
子宮筋腫
症状として、月経量が増えたり、止血が止まらなくなるといったことが挙げられます。 また、出血量から貧血が続く場合もあります。
子宮に硬いしこりができます。実は30代女性で4~5人に1人、40代で3~4人に1人がかかっている病気です。しかし、更年期障害や原因不明など判断基準が分からず、発見が遅れる場合があります。
機能性便秘のように生活習慣や食生活を変えただけでは治すことができません。
原因である病気を治療する必要があるため、違和感を感じたら、すぐ医師にご相談ください。放置していたら命にかかわる場合もあるので、早期発見が重要です。
便秘の予防
「たかが便秘ぐらい」と軽く考えていてはいけません。カラダの健康は腸内環境にアリ!と言われるほど、健康、美容に左右します。便秘になる前に「便秘にならない生活習慣」を心がけましょう。
■食事編
●食物繊維の多い食事を摂る

―水溶性食物繊維
便に中に溶け込み、柔らかくして腸内の通過を良くします
海藻類、ゴボウ、こんにゃく、やまいも、納豆、おくら、リンゴなど。

―不溶性食物繊維
水分を保持し、便のかさを増やし、腸を刺激してぜん動運動を促します
豆類、穀類、野菜全般など。
●水分をしっかり摂る

水分が不足すると、便が硬くなり排出しにくくなります。成人が一日に必要な水分の量は約2.5ℓほどです。ただし食事中から水分を1ℓ以上は摂るので、残り分は意識して摂る必要があります。
特に朝、冷たい水や牛乳を飲むと腸が刺激され、排便を促してくれます。
●食事のリズムを整える

朝昼晩3食しっかり摂りましょう。特に朝食事は腸を刺激し、排便をスムーズにします。
また食事量が不足してしまうと、便の量が減ってしまい、その分排便回数も減ってしまします。排便回数が減ったために、便が腸内に溜まる時間が増えると、結果的に健康、美容に影響を及ぼします。
ただし、肉類に偏った食事、タンニンを含む食品の摂りすぎは注意しましょう。
タンニン(渋みの元)を含む食品 柿、お茶、コーヒー、ワイン
●腸内環境を整える

乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや納豆などの発酵食品、オリゴ糖など善玉菌を増やし、腸内環境を整えましょう。
場合によっては、サプリンメントも効果的の活用しましょう!
■生活習慣編
●毎朝の排便習慣
毎朝、便意がない方でも出来るだけトイレに行く習慣をつけましょう。自然と便がもよおされるようになります。また、慌ただしい時間にトイレに行くより、5分早めに起き、ゆとりをもってトイレに行く時間を作ることも大切です。

●適度な運動
一般的に健康を保つためには週150分の運動が必要と言われています。まったく運動を行わない人と推奨量の運動を行った人とでは死亡のリスクが31%も低いという結果も出ています。
ただ、排便は毎日行うのが理想なので、できるだけ運動も毎日行いましょう。特に腹筋の力が弱いと便秘になりやすいので、腹筋に自信がない方を鍛えることをおススメします。

●ストレスを溜め込まない
現代を生きる人々にとって、ストレスを受けない生活を送ることは難しいと思います。
ただし、溜まったストレスを抱え込むと心と身体、両方へと影響が出ます。自律神経が乱れると便秘になりやすくなりますので、どこかでストレスを発散してあげるようにしましょう。
主なストレス解消法
アロマテラピー、音楽鑑賞、お酒、運動、カラオケ、趣味、食事、ショッピング 深呼吸、睡眠、掃除、ツボ、読書、ドライブ、入浴、会話、マッサージ、旅行など。
ストレスの解消法は人それぞれ効果的ものが違います。以外なものが自分にあったりする場合もあります。数を増やして、ストレスを抱え込まないようにしましょう。
便秘の対策
●つま先立ち
5分間つま先で立つ。 (フラフラする場合は、壁やいすの背もたれなどを使いバランスをとってください。)
つま先立ちをすることで血行がよることで代謝があがります。またお尻や腹筋に力が入ることで腸を刺激し、働きが活発になります。
※5分間つま先立ちをするのは意外に大変です。無理をしない範囲で行ってください。

Source: POPSUGAR Studios
●マッサージ
お腹や腰をマッサージすることで、大腸が刺激され排便を促します。
- 仰向けになり、腰の下にクッションなどを入れ、少し腰を浮かせます。
- 手のひらで軽く押しながら、正面から見て「の」の字をおへその上あたりから20回ほど書きます。
手が冷たい場合などは、一度温めてから行うとより効果的です。
●ツボ
歴史ある東洋医学のツボ。人間の体には300以上ものツボがあり、なかには便秘解消へ効果が期待できるツボも存在します。
合谷(ごうとく)
親指と人差し指の付け根の骨が交わるところの内側になります。
反対側の手の親指と人差し指で挟むように指圧しましょう。
―「万能のツボ」と呼ばれるほど便秘のみならず、頭痛や眼精疲労、かぜや生理痛など様々な効能が期待できるツボです。
三陰交(さんいんこう)
内側のくるぶしから指幅4本分上がったところの骨と筋肉の境目あたりにあります。
ゆっくりと強めに押してください。
―内蔵に有効なツボです。他にも、生理痛、婦人科系の症状、むくみなどへも期待できます。
天枢(てんすう)
おへそから外側に向かって、指幅2~3本分の位置にあります。
左右同時に、人差し指・中指・薬指を揃えて、お腹が少しへこむくらいの力で押してください。
―消化器系の他、冷え性などにも効果が期待できます。
●便秘薬
上記解消法では上手くいかなかったり、今すぐお手軽に解消したい場合、できれば薬剤師さんに相談の上、ご購入ください。
ただし、常習的に便秘薬を使ってしまうと体が慣れてしまい、効かなくなる場合があります。
※注意 便秘の種類によっては、より悪化してしまう恐れがあります。自分がどのタイプの便秘なのか確認し、用法容量を守りご使用ください。
女性に便秘が多いのはなぜ?
これは単に漠然としたものではなく、科学的な根拠が存在します。
・男性に比べて女性は筋力が弱い
・ダイエットによる、食事量、水分の減少
・生理、妊娠時におけるホルモンによる水分の減少
・男性に比べ、我慢してしまう
・男性に比べ、骨盤が広いため腸が下垂しやすい
など他にも理由があるが女性のほうが便秘になりやすい。便秘薬も女性の購入者のほうが多いため、ピンクのパッケージデザインが目立つ。逆に下痢は男性のほうが多く、パッケージデザインも青を基調としたものが多い。
■弛緩(しかん)性便秘
日本人に最も多いタイプの便秘です。 特に、腹筋が弱い高齢者や女性、運動不足の人に多く見られます。
―症状
・お腹が張る
痛みはすくないけれども、お腹が張ってしまう。腸内に便が留まってしまうと、悪玉菌が増えて有害なガスが発生してしまいます。張りが大きくなってしまうと、食欲に悪影響が出てしまい、張りによるストレスから精神的にも悪い影響が出ます。
・硬くコロコロとした便
水分不足により、見た目ウサギの便のようにコロコロしており、一つ一つ硬く短いのが特徴です。水分が不足した便は、なかなか出ないので力んでしまい、痔(じ)になってしまう可能性があります。
・肌荒れ
便秘で肌荒れ?という方もいらっしゃるかと思いますが、腸内の健康が美容に大きく関わります。溜まった毒素が血液やリンパを通して体中に運ばれてしまうため、ニキビや吹き出物など様々な症状が起きてしまいます。お肌の手入れも大事ですが、まずは腸内環境を改善するこで原因の元を解消することが大事です。
―原因
・大腸の筋力低下と加齢
弛緩性便秘の方で、特に多い原因が「大腸の筋力低下」になります。便を押し出す「ぜん動運動」が正常に働かないと排出できません。このぜん動運動は大腸の筋力が必要になります。運動不足な方や高齢者、出産回数が多い女性が腹筋力の低下などが原因となります。
また加齢により、内臓が少しずつ垂れ下がってしまうことで、腸のゆるみが悪化してしまいます。
・水分と栄養不足
大腸の筋力低下や加齢により、便性が滞ってしまうと便から水分が奪われてしまい、硬さが増してしまいます。 また、過剰なダイエットにより、水分不足や栄養不足なってしまうと作られる量が減ってり、便に必要な栄養が足りず、便秘を加速させてしまいます。
―対処法
弛緩性便秘の場合、慢性になっていることが多く、解消に時間がかかってしまいます。 普段から便秘を意識し、解決に向けて心がけてみましょう。
・適度な運動と栄養バランスが整った食事
デスクワークや通勤に乗り物を使っている人はどうしても一日の運動量が不足してしまいます。 まずはストレッチや軽めのウォーキング、腹筋などでお腹に刺激を与えてみましょう。 また、過度なダイエットは控え、小まめに水分補給をし、バランスよい食事を摂取しましょう。
・サプリメントを活用する
とは言っても、毎日を忙しく過ごしている人にとって、栄養のことまで考えて食事をとることが難しい方います。そこで、補助としてサプリメントを活用しましょう。ただし、用法容量を守り、規則正しい生活習慣を意識した上で、摂取しましょう。
■痙攣(けいれん)性便秘
ストレスにより自律神経が乱れからくる便秘です。
―症状
・下痢と便秘を交互に繰り返す
痙攣性便秘の最大の特徴として「下痢と便秘を交互に」繰り返します。便を排出するぜん動運動が本来より活発な状態のため、吸収されるはずの水分まで一緒に出してしまい、逆に腸が痙攣すると便が溜まりやすくなってしまい便秘を引き起こしてしまいます。
・硬くコロコロとした便
腸が痙攣してしまうと、どうしてもスムーズな排泄が行われず、水分が吸収され硬くコロコロとした便になりやすいです。また、排便後も残便感を感じることが多くなります。
・お腹の痛み
その名の通り、腸が過度な痙攣性の収縮をするため、痛みを引き起こしてしまいます。
―原因
・ストレスによる自律神経の乱れ
人間関係や不規則な生活、環境の順応しきれなかったり、様々な原因からストレスを抱えています。 ストレスを溜め込んでしまうと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。これが「自律神経の乱れ」です。
自律神経が乱れると、ぜん動運動と呼ばれる、便を排出するための大腸の筋肉の収縮が普段より活発になってしまいます。
「えっ?活発になったらダメなの?」
本来より活発になり過ぎてしまうと、痙攣したような状態に陥てしまい、便が外側へ押し出される前に内側に戻ってしまうのです。そのため、便秘になってしまいます。
・過敏性腸症候群
主にストレスが原因の病気です。検査を行っても異常がないにも関わらず、腹痛、下痢、便秘、ガスがたまったりしてしまいます。日本人の5~10人に1人が過敏性症候群に当てはまると推定されています。
脳がストレスを感じてしまうと、本来は幸せホルモンとよばれる「セロトニン」が、腸の粘膜から過剰に分泌され、腸の運動に異常きたしてしまい、下痢や腹痛といった症状を引き起こしてしまいます。これにより、されにストレス感じ、悪循環がおこってしまいます。
―対処法
・生活習慣の改善
夜型の生活や睡眠不足、生活のリズムが一定でないと交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかず、乱れが生じます。
・ストレスを溜め込まない
日常生活を送る上でまったくストレスがなく過ごすことは出来ませんが、上手にストレスと付き合って溜め込まない生活環境を整えましょう。
―朝日をあびる ―適度な汗をかく ―ぬるめのお湯で入浴時間をとる ―睡眠時間を適度にとる ―誰かに話しをきいてもらう ―部屋の掃除・模様替え
―注意
・食物繊維の過剰摂取
便秘気味だから野菜を摂ろう!と考える方が少なからずいらっしゃると思います。
しかし弛緩性便秘と違って、痙攣性便秘の場合、大腸の働き過ぎによる便秘ですので、余計に助長してしまい逆効果です。
・便秘薬や下剤の使用
食物繊維と同様に、薬による腸の働きを活性化させることは逆効果です。痙攣性便秘の場合は使用を控えましょう。
■食事編
●食物繊維の多い食事を摂る
―水溶性食物繊維(便に中に溶け込み、柔らかくして腸内の通過を良くします)
海藻類、ゴボウ、こんにゃく、やまいも、納豆、おくら、リンゴなど。
―不溶性食物繊維(水分を保持し、便のかさを増やし、腸を刺激してぜん動運動を促します)
豆類、穀類、野菜全般など。
●水分をしっかり摂る
水分が不足すると、便が硬くなり排出しにくくなります。成人が一日に必要な水分の量は約2.5ℓほどです。ただし、食事中から水分を1ℓ以上は摂るので、残り分は意識して摂る必要があります。
特に朝、冷たい水や牛乳を飲むと腸が刺激され、排便を促してくれます。
●水分をしっかり摂る
水分が不足すると、便が硬くなり排出しにくくなります。成人が一日に必要な水分の量は約2.5ℓほどです。ただし、食事中から水分を1ℓ以上は摂るので、残り分は意識して摂る必要があります。
特に朝、冷たい水や牛乳を飲むと腸が刺激され、排便を促してくれます。
●食事のリズムを整える
朝昼晩3食しっかり摂りましょう。特に朝食事は腸を刺激し、排便をスムーズにします。
また食事量が不足してしまうと、便の量が減ってしまい、その分排便回数も減ってしまします。排便回数が減ったために、便が腸内に溜まる時間が増えると、結果的に健康、美容に影響を及ぼします。
ただし、肉類に偏った食事、タンニンを含む食品の摂りすぎは注意しましょう。
タンニン(渋みの元)を含む食品 柿、お茶、コーヒー、ワイン
●腸内環境を整える
乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや納豆などの発酵食品、オリゴ糖など善玉菌を増やし、腸内環境を整えましょう。