Aging Care
たるみのしくみ
たるみ=老け顔!?
シミ、シワに加えて年齢を重ねるとともに気になるのが「たるみ」。目の下、上まぶた、フェイスラインなど、顔のいたるところにたるみができると実年齢よりもはるかに老けた顔に見えてしまいます。
人間は、なぜ、たるんでいくのでしょうか?
たるみのより肌の変化
皮膚の繊維であるコラーゲンやエラスチン。20代までは、この繊維には弾力がありました。そのため、皮膚や脂肪をしっかりと支えられていますが、年齢とともに繊維は変形したり、切れたりして、弾力を失っていきます。
紫外線を浴びるとなおさら繊維はもろくなり…。これがたるみとなります。
たるみによる肌の変化は、大きく分けて3つあります。
■肌の弾力低下
真皮内で、バネのような構造で肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンの質が変化して、肌の弾力が失われます。
*コラーゲン…線維状のたんぱく質で、皮膚や骨に存在し、肌のハリを保ちます。
*エラスチン…ゴムのように伸縮し、肌に弾力を与える働きをします。
■皮下脂肪の肥大化
皮下脂肪は脂肪組織の大部分を占め、エネルギーを貯めたり、保温などの働きがあります。この皮下脂肪が年齢を重ねることによる代謝機能の衰えで肥大化し、重力の影響により下方向へ落ちてきます。
■筋肉の質の低下
顔の表情筋は手足の筋肉とは異なり、骨ではなく直接皮膚についているため、細かな表情を作り出すことができます。加齢にともない腕や脚の筋肉が衰えるように、顔の筋肉も衰えていき、その上に位置する皮膚や皮下脂肪を支えきれなくなります。
さて、次は、より詳しく、たるみをつくりだす原因について、説明します。
たるみを引き起こす原因
たるみをつくる原因には、外的要因と内的要因と生活習慣要因があります。
■外的要因
①乾燥
目には見えませんが、肌は内部の水分を常に蒸散させています。「湿度の低下」「気温の低下」「紫外線」「加齢」などの理由で肌が乾燥すると、肌表面(表皮)の保湿力や抵抗力が低下し、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れ、肌のハリが失われます。
②紫外線
紫外線(UVA)が真皮のコラーゲン、エラスチンなどを破壊し、肌の弾力が失われます。
③ストレス
ストレスとは、不快な刺激が加わり、心身に負荷がかかった状態のことをいいます。強いストレスを受けるとストレスホルモンが分泌され、血管を収縮させたり、免疫機能の低下、基底細胞増殖力の低下等が起こり、肌のターンオーバーが崩れて、肌のバリア機能までも低下してしまいます。そのためストレス状態が長く続くと、肌の機能低下が生じ、肌荒れに繋がります。
■内的要因
①活性酸素
酸素が体内に入ると「活性酸素」に変化します。活性酸素は本来、ウィルスなどから体を守ってくれる物質ですが、細胞をさびさせる働き(酸化)をします。この活性酸素が真皮のコラーゲンなどの線維や線維芽細胞にダメージを与えて、細胞を老化させてしまいます。
■生活習慣要因
①喫煙
タバコを吸うと、タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させ血行を阻害するため、酸素や栄養物が皮膚に運ばれにくくなり、皮膚の働きを衰えさせます。また、タバコは体内に大量の活性酸素を発生させ、一服で20~100mgの体内のビタミンCが失われます。コラーゲン生成を促進したり、メラニンの生成を抑える働きがあるビタミンCが喫煙により破壊されると、たるみはもちろん、シワもでき、、肌のツヤもなくなります。
②睡眠不足
睡眠中には、皮膚細胞を構成するたんぱく質の合成が盛んになり、細胞に栄養をあたえ、肌のダメージを修復する『成長ホルモン』が分泌されます。睡眠が不足すると、睡眠中に行われる肌の新陳代謝がスムーズに進まず、酸素、栄養、老廃物の交換が滞り、たるみに繋がります。
③栄養不足
特に、すべての細胞生成に関わりコラーゲン生成の材料にもなるたんぱく質や、コラーゲン合成や新陳代謝を促進するビタミン・ミネラルなどが不足すると肌の新陳代謝が滞り、皮膚機能を維持できなくなるため、肌が荒れやすくなります。
たるみやすくなっていたのは、自分自身?!
普段の生活の中で、何気なくやっていたことが、たるみやすくしていたなんて(@_@)
あてはまる項目がある方は、今すぐやめましょう!!
■頬杖をつくと顔がたるみやすい。
頬杖をつくと顔がたるみやすくなります。 特に、コラーゲンやエラスチンなどの皮膚の弾力を保つ成分が加齢や紫外線などの影響で減少している場合、頬杖を繰り返すことで、頬杖をついている側の皮膚が伸ばされ、たるみの原因となります。
■横向きで寝ると顔がたるみやすい。
横を向いて寝る方が、上をむいて寝るよりもたるみやすくなります。頭部の重さは個人差もありますが、体重の10%程度です。例えば、体重が50kgの人は頭部が5kgとして、横向きで寝ると、下側にしている側にその重さ分がかかってきます。皮膚がひっぱられることと、骨格も歪むことから、たるみがおこり、左右差も現れます。
■顔を下に向けてうつむくとがたるみやすい。
うつむくことが多い人は顔の筋肉を使うことが少なくなり、口角のたるみや頬のたるみが現れやすくなります。
■感情を表情に出さない人は、たるみやすい。
無表情でいることが多いと、顔がたるみやすくなります。顔のたるみには顔の筋肉の衰えも関係しており、無表情が多いと、筋肉がやせてくるため、特に頬や輪郭のたるみが進行します。また、筋肉が衰えると、脂肪がつきやすくなるので、脂肪がつくことで、重力で下向きに引っ張られて、さらにたるみは進行します。